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車のエンジンを弄る男性

英国の最新エンジンシステム「IVA」ってなに?

これからはEV(電機)自動車やハイブリット車などが主流で、いずれガソリン車は過去のものになると思われている方も多いのではないでしょうか。しかし英国で開発中の最新エンジンシステム「IVA」が、ガソリン車の秘めたるポテンシャルを高めると注目されています。

既存のガソリンエンジンを改善する「IVA」

IVA(インテリジェント・バルブ・アクチュエイション)とは、英国のエンジニアリング企業CamconAuto社が開発中の最新のエンジンシステムで、既存のガソリンエンジンの燃費や排ガス量など、そのポテンシャルを大きく改善すると期待されています。

自動車メーカーがガソリン車を縮小する時代

近年は排ガス規制や燃費規制が厳しくなるにつれ、多くの自動車メーカーがガソリンエンジンの縮小を図っています。
また、ディーゼル車の排ガス不正疑惑などにより、世界の自動車メーカーがディーゼル車から撤退したのは記憶に新しいことです。
こうしたなか、テスラ社などのEV(電気)自動車メーカーが大きく注目を集め、中国はEV大国へと国を挙げてひた走り、グーグルなど異業種の自動車業界への参入も目立ち始めました。

日本の自動車メーカーも例外ではなく、トヨタではハイブリットやPHEV、さらには燃料電池車などが主流になりつつあり、日産は電動化を推し進めています。

ガソリンエンジン車の可能性を高める「IVA」

このように、自動車メーカーの多くが既存のガソリンエンジン車から撤退を進めているなか、イギリスの新興企業であるCamconAuto社のテクノロジーは既存のガソリンエンジンをブラッシュアップして、その可能性を高めるものとして注目されています。

「IVA」のテクノロジーは、現在のガソリンエンジン車、そしてハイブリット車も含めて燃費を約15%向上させ、CO2を約20%下げ、パワーも向上することができるといいます。
さらに、

  • ディーゼルの低燃費
  • ガソリンエンジンの高性能
  • 低排気ガス

をひとつのエンジンで提供できるようになるというのです。

Jaguar Land Roverとの共同開発で7・5%の燃費改善が実現

「IVA」の最も大きな特徴は、これまでのガソリン車のエンジンシステムを再定義したことです。
エンジンバルブの個々に接続した高トルクモーターで開閉するシステムを採用して、バルブトレインシステムが駆動する際のパワーを低減、さらにデジタル制御モーターでバルブを最適なタイミングで開閉させることも可能。
これにより通常のガソリンエンジンより燃費や排ガス量を大きく改善させることができるのです。

事実、「IVA」はJaguar Land Roverとの共同開発では、同社の2リッター4気筒エンジン「Ingenium」に「IVA」を搭載して、実に1000時間に及ぶ走行実験を実行。
それによって、7.5%もの燃費が改善されたといいます。

「IVA」を搭載することで、既存エンジンのバルブ動作のタイミングやパターン・リフト量などが瞬時に最適な状態になり、燃費や排ガス量などが大きく改善されることが証明されたのです。

日本で「IVA」搭載車が走る日も

車体 デジタルデータ
CamconAuto社の関係者は最近来日して、トヨタやホンダ・マツダなど日本の自動車メーカー関係者に「IVA」のプレゼンテーションを行い、日本のメーカーも大いに関心を示したといいます。
CamconAuto社の関係者も言うように、「IVA」はまだ初期段階。
実用にはまだ少し時間がかかるといいます。
しかし、大手メーカーがさらに「IVA」の実用化に向けて開発に参加すれば、「IVA」の実用化も早まるものと思われます。

「IVA」を搭載したガソリン車が日本の公道で走る日も、そう遠くないかもしれません。
最新エンジンシステム「IVA」の出現はガソリン車にもまだまだ未来があることを伝えてくれています。
「IVA」とガソリン車の未来にこれから目が離せませんね。

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