軽貨物ドライバーって稼げるの?仕事内容や収入について聞いてきた
今回は、軽貨物ドライバーのお仕事について関東を中心に複数支店を構える株式会社MIRAISさんにAZUSAちゃんと取材をしてきました。
「軽貨物ドライバーって何?」「本当に稼げるの?」「キツそうじゃない?」など、どんなお仕事なのか全容を解明するべく、ドライバーを経験されていた加賀谷さんに質問をしてきました。
転職を考えている方はもちろん、すでに軽貨物ドライバーとして働いてる方も必見です!
取材に対応してくれたのは?
株式会社MIRAISで戦略人事部長を務めている
加賀谷 徹さんに取材させていただきました。
目次
軽貨物ドライバーになったきっかけ
ーーまず、加賀谷さんが“軽貨物ドライバー”になったきっかけを教えてください?
軽貨物ドライバーとして働く前は、社会人になってから30代半ばまでずっと飲食店で働いていました。厨房や店長などを経験して29歳で独立開業しました。
しかし、思うようにうまく行かず、お店を閉めた際に負債を残して辞めてしまったんです。
その後、昔からやってみたいと思っていた心理カウンセラーの仕事をしていたんですが、やりたいことと収入のバランスが取れなくて辞めざるを得ない状況になってしまいました。
負債を返済しながら、家族を養っていかなければならない状況で、「飲食以外に何ができるか?」と考えたときに、私が持っているのは車の免許しかなかったんです。
そんなときに、状況を知っていた保険の担当者に、「こんな仕事があるよ!」って紹介してもらったのが軽貨物ドライバーだったんです。
当初は大手宅配業者の業務委託ドライバーとして働きました。「やった分だけ稼げる」という話を聞き独立開業を決めました。とにかく稼がないといけない状況でしたので「長時間労働でも、稼げればいい」という思考で日々仕事をしていました。
もちろん稼ぐことはできたんですが、働いていくうちに稼げる上限が見えてしまったんです。それと家族との時間が皆無に等しい状況が続き、疲弊している私をみた車屋さんが株式会社MIRAISを紹介してくれたんです。
ーーでは、辛さや大変さは飲食店のときと比べてみてどうですか?
飲食店経営だと仕入れもそうですし、仕込みや終わった後の片付けなど、どうしても長時間労働になっていたんです。また、天候などに売り上げも左右されてしまったりと、私としては飲食店経営のときの方が収入面でも大変でした。
とはいえ、軽貨物も仕事内容によっては長時間労働になることもあります。
MIRAISで働く前の宅配の仕事では14時間なんて当たり前でした。MIRAISにきて企業配の仕事をしてから長時間で働くことは無くなりました。だから軽貨物と言っても、請け負う仕事によっては長時間労働になってしまうこともあるので、お仕事をいただく業者選びは入念に行った方が良いかもしれませんね。
ーー実際に「軽貨物ドライバー」として働いてみて最初はどうでしたか?
正直に言いますと、始めたばかりのときは「かなり厳しいな」と感じました。
周りの方が簡単にやっていることが出来なかったり……。
例えば、隣で70代のドライバーさんが1日150件とか荷物を届けているのに、私は70件しかお届け出来なかったり。周りとの差を感じました。「何が違うんだろ?!」って。もちろん数をこなしていくうちに慣れてきて、厳しいと感じることは日に日に無くなりました。
ちなみに軽貨物業界に来る前に1週間だけ外回りの個人宅訪問営業をしたことがあるんですけど、その時ってピンポン押して断られてばかりだったんです。
でも軽貨物ドライバーとしてご自宅に配達に伺ったとき、感謝のお言葉をいただけるんです。夏の暑い日に冷たいドリンクの差し入れをいただいたときなんかはとても嬉しかったですね!お荷物をお待ちしているお客様にとって「役に立っている」ということを毎日実感することができる仕事なんです。
軽貨物ドライバーの仕事内容
軽貨物ドライバーはどんなお仕事?
ーー軽貨物ドライバーってどんな仕事ですか?
一言でいうと「個人事業主」という言葉が当てはまるんですが、それもなかなか浸透していないのが現状だと思うんですよね。
ーー物流企業のドライバーさんって会社に雇われている従業員というイメージでしたが、軽貨物業界では、基本「個人事業主」として働くのが一般的なんですか?
はい。
もちろん運送会社で正社員として働く雇用形態の場合もありますが、一般的には開業手続きを行い、荷物を抱えている業者と業務委託契約を結ぶ契約になります。別名で「委託ドライバー」とも呼ばれていたりします。
具体的な仕事内容
ーー具体的にどんなことをしますか?
大きく分けるとこの3つに分かれると思います。
・宅配・・・個人宅への配送
・企業配・・・企業への配送
・スポット配送・・・突発的に依頼が来る配送
一般の人が「軽貨物」と聞けば、個人宅へ配達するイメージが強いかもしれませんが、企業へ配送する「企業配」というお仕事もあります。
さらに、決まったエリアではなく、全国のいろんなエリアにいくスポット配送というお仕事もあります。
ーー軽貨物ドライバーは宅配以外に企業配とスポット配送があるんですね。これは業務委託契約を締結する業者によって違うんですか?
違いますね。
例えば、弊社は企業配をメインでお仕事を取り扱っています。
ただ、「大手EC系企業」など、個人向けの宅配の仕事量が、世界的にもどんどん拡大しているので、一部宅配のお仕事も対応しています。
もちろん個人向けの宅配をメインとしている業者もあります。
軽貨物ドライバーの1日のお仕事の流れ
ーー1日の勤務時間や仕事の流れを教えてください。
例えば、事務用品の企業配送の例でお伝えすると以下のような流れになります。
もちろんお荷物の種類や企業によって異なるかと思いますが、一般的には上記のような流れになります。
例えば上記の仕事に加えて、先ほどお話したスポット配送を掛け合わせたりする働き方もあります。
軽貨物ドライバーのお給料(報酬)
ーー軽貨物ドライバーさんのお給料について教えてください。
個人事業主の軽貨物ドライバーの場合、ご自身の売上額が「報酬」となり支払われます。
ですので、「売上」として受け取るような形になります。
一般的に下記のようになっています。
・宅配の場合は出来高制の報酬(中には時間固定での報酬もあります)
・企業配の場合は固定の報酬
例えば、出来高制になると、荷物1個につき〇〇円という形で、配達した分に応じて報酬が支払われるようになっています。
企業配は固定報酬として支払われる傾向があり、決められた時間内で働けることが多いと思います。
さらに仕事の内容によっては、「最低保障+歩合」というケースもあります。
私の場合は、しっかり家族との時間を取ることができ、安定した報酬をいただけるということで「企業配」の魅力を感じました。実際にドライバーをやっていた時でも、休みをしっかり取ることができ、週末は家族と大切な時間を過ごすことができました。
軽貨物ドライバーとして長く勤めるとなると、個人宅向けの配送に負担を感じているドライバーさんも少なくないと思います。1日100件から150件配達するとなると拘束時間も必然と長くなって大変ですからね。
ーーお給料でなく売上となると、手取り額は変わってきますか?
はい。
手取りの金額=売上-経費-税金
上記のように、売上からガソリン代などの経費、そして所得税などの税金を引かなくてはいけません。経費や税金を考慮した金額が手元に残ります。
手取りを増やす方法としては、ただ荷物をたくさん配達するだけでなく、経費を節約するなどの工夫も必要です。
必要な免許や資格
ーー軽貨物ドライバーとして働くためにはどんな免許が必要ですか?
普通自動車免許があれば大丈夫です。
ーー他に持っていた方がいい免許や資格はありますか?
ないですね!普通自動車免許があれば働けます。
外国人は働ける?
ーー外国人の方も働けますか?
働けます。
ただ、字の読み書きや、日本語で会話ができるとか、その辺の最低のスキルは必要ですね。
トラックを使うような「一般貨物」と比べると、配送件数が多いので人とのコミュニケーションを行う機会が多くなります。
日本語スキルや日本の文化に応じたマナー対応などは必要です。
独立開業の手続き
ーー独立開業の手続きって大変じゃないんですか?
個人事業主の開業手続きについては昔と違ってそんなに難しくないと思います。
開業手続きをスムーズにしてくれるWEBツールなどもあります。
ちなみに弊社の場合は、開業手続きについてもサポートさせていただいてます。
» 求人特設ページ|軽貨物ドライバー募集|軽貨物の「MIRAIS」
車両の確保
ーーお仕事で使う車の確保は難しくないですか?
軽貨物事業でよく使われるような「軽バン」は新車でも100万円台で手に入れることができますし、中古でしたら程度にもよりますがもっと安い車両もあります。
例えば弊社でしたら車のリースなども相談できますし、直接「車屋さんに相談」すれば、力になってもらえるお店もあると聞きます。
資金調達
ーーなるほど、開業するのはそんなに難しくないんですね
いえ、一つあります!
資金の調達です。業界の全体の課題でもあるんですが、売り上げてから支払いまでに間が空いてしまうんです。
例えば月末閉めてから支払いがされるのは、45日後とか60日後というケースが往々にしてあります。そのせいで、新規に開業される方や他の業者から変更される場合、無収入になる期間がでてしまいます。ご自身で貯蓄がある方は問題ありませんが、ない方は金融機関から資金を調達するにも「勇気」がいりますし、ここをどう凌いでいくかが大変なんです。
ーーでは、開業後の無収入期間の問題の解決はどうすればいいですか?
金融機関からお金を調達する方法以外にも、例えば、最近ですと、「業務委託料前払いサービス」という無収入期間を防ぐ方法があります。
弊社の子会社であるMIRAIS Techでは「PAYS」という、業務委託料を欲しい時にリアルタイムで受け取ることができる、個人事業主様向けの業務委託料前払いサービスを運営しています。こういったサービスを利用することでスムーズに開業することができるようになりました。
» PAYS業務委託料前払いサービス|株式会社MIRAIS Tech
» 【日本経済新聞】運送業のミライズ、ドライバーの委託料前払いサービス
軽貨物ドライバーは稼げる?
ーーズバリ、軽貨物ドライバーは稼げますか?
ズバリ言うと、稼げます。
「稼ぐ」という定義は、いろんな定義があると思います。
・とにかく収入を増やしたくて稼ぐ
・自分の要件に合わせて稼ぐ
どちらを指しているのかでいろいろと変わってきます。
ーー額面でいうと、どのくらい稼げますか?
弊社の場合、もっとも稼いでいる方(36歳)の月平均は60~65万円です。
よくWEB広告とかで、「軽貨物ドライバーで100万円稼げます!」なんて広告も見かけることがありますが、そういった類の広告には特に注意が必要です。
こういった場合、かなりの長時間労働が確実に必要になります。
なぜなら軽貨物ドライバーは配達する荷物の数で収入が決まるので、時間を使って大量に配達する必要があるからです。
私の経験談から言わせていただくと、よくネットで「たくさん稼げます!」みたいな広告から業者に飛びついてみると、仕事の種類が一つ、二つしかないみたいなことがあって、仕事量の多い宅配のお仕事しか選択できないなんてこともありました。
もちろん「バリバリ働いてたくさん稼ぐ!」という気持ちも大事ではあるんですが、「事故をするリスク」もあるわけです。
例えば、長時間働いてたくさんの荷物を配達して稼ぐことができても、帰って寝て、すぐ仕事行ってみたいな生活になるわけです。そうなると事故を起こすリスクは高まりますし、車を失えば仕事ができなくなる可能性もあるわけです。
私は、この働き方を長期間することは現実的ではないと考えています。
軽貨物ドライバーで稼ぐコツ
ーーとなると、稼ぐコツは長時間労働ってことですかね?
収入をとにかく増やしたい方は時間を使うということですね。
» ワークスタイル詳細①|軽貨物の「MIRAIS」
しかし、私からお伝えしたいことは、「現実を見て欲しい」ということです。
先ほどお話した「稼ぐ」のもう一つの定義「自分の要件に合わせて稼ぐ」ここを意識してもらうのが一番だと思っています。
「しっかりとしたお仕事の計画を立てて、無理なく稼ぐ」これが最終的に稼げる方法かなと思っています。
でも、未経験からスタートする方だと計画立てることって難しいんです。
MIRAISではこういったところからサポートをさせていただいて、各ドライバーさんの要件にあったお仕事を提供しています。
ーーなるほど!ということは業務委託契約を締結する業者の選定が大事だということですね。
弊社のような複数の仕事を提供できる会社では「しっかりと稼ぎたい」、「自分のペースで働きたい」などそれぞれのニーズに合わせたお仕事を提供することができます。
自分のニーズに合う仕事を選択するためには、複数のお仕事を持っている業者に相談することをオススメします。
副業で軽貨物ドライバーはできる?
ーーちなみに副業で軽貨物ドライバーはできる?
できるといえばできる。
というのが回答になりますね。
これもあまり現実的ではないと思っています。
ただ、別事業で車を使う仕事をしている人は副業しやすいのかなとは思います。
例えば「午前中は軽貨物のお仕事をして午後は飲食店のお仕事をする」みたいな時間の使い分けができる方はいいのかなと思います。
軽貨物ドライバーは女性にもオススメできる?
ーー軽貨物のお仕事は女性にもオススメできますか?荷物が軽いから女性でも働きやすそうですよね
もちろんオススメできます!
今仕事はたくさんあるので、女性に見合ったお仕事をご提供することができます。
ただ……、実は「荷物が軽いから軽貨物」ではないんです。
「軽自動車を使用する貨物事業」ということで軽貨物と呼ばれているんです。
だから荷物によっては重いものあります。
ーーえ!?荷物が軽いから軽貨物ではなかったんですね。ちなみに、日々の業務の中で、加賀谷さんが経験した辛いことや大変なことを教えてください
伝票に書いてある住所が間違っていたり、町内に同じ名字が5名存在していたり、納品先がわからず時間だけ過ぎてしまうのが辛かったですね。
自分がイメージしているように配達ができず数がこなせなかったときは大変だと感じますね。
実際にどんな人が働いている?
ーーどんな人が軽貨物ドライバーとして働いていますか?
20代から70代までいろんな方が働いていますが、他の貨物事業と比べると未経験者の割合が多いと思います。
ちなみに下記のような方が、軽貨物ドライバーとして独立開業されることが多いのかなと思います。
・どこかの会社に所属してではなく、独立して働きたいと考えている人
・現状の職場環境に疲れてメンタル的なストレスから解放されたい
・60代で定年退職後、年金もらいながらまだまだ働きたいという人
・主婦などの女性で空いている時間に配達の仕事をしたい人
年齢別で見た場合、
・【20代~40代】ネットやSNSで仕事を探しているうちに“フリーランス”という言葉から「軽貨物」に繋がって興味を持つ
・【30代~50代の方】一般貨物などの配送を経験している
若い方は働き方の選択肢としてフリーランスを考えている人、ミドル以上の方は元々ドライバー職の方でもっと「稼ぎたい」「自分のペースで働きたい」と考えているような人が多いと思います。年齢関係なく全くの未経験で始める方も多いですよ。
» 未経験向け求人情報|軽貨物の「MIRAIS」
軽貨物ドライバーはこんな人にオススメ
ーーでは最後の質問です。実際に加賀谷さんがいろんな人を見てきた中で、どんな人に軽貨物ドライバーはオススメできますか?「こんな人にはオススメだ!」という人物像があれば教えてください。
ざっくりで言いますと「前向きな人」ですね。
技術や知識よりも、積極的にいろんな場所に行ったり、いろんな荷主さんとコミュニケーションが取れて、アクシデントが起きても前向きに捉えて次に繋げられる。どんな環境や状況でも前向きに捉えられる方でしたら是非ともオススメしたいです。
ーーでは、逆に「普通に働きたい、しっかりと休日を取って働きたい人」にはオススメできますか?
もちろんそんな方向けの仕事もあるのでオススメできます。
荷物を取り扱っている業者によって違うかもれませんが、例えば、MIRAISではしっかり休日や自分の時間を取りたい方向けに、いろんなお仕事を揃えています。
いろんなお仕事を提供している中で、現在、MIRAISで働くドライバーの平均売り上げが40万円くらいなんです。
平均売り上げが40万円と言うと、大半の人は前職と比べて収入が上がって家族を養えて、休日もしっかりとれると言うことになります。
なので「普通に働きたい」という思考の方でも問題ないのかなと思います。
軽貨物は色々なお仕事があって、やり方もたくさんあります。
ただ、「どこの業者から仕事をもらうか?」が大切で、例えば業者次第では「朝から夜まで働かないといけない仕事しかない」なんてこともあるんです。
業者の選択が間違ってしまうと、「稼ぎたいけど稼げない」「自分のペースで働きたいけどきつい」という状況になってしまいます。
» ワークスタイル詳細②|軽貨物の「MIRAIS」
加賀谷さんは車好き?
ーー最後に、こちらも質問させてください!加賀谷さんは車は好きですか?
実は車大好きなんです!は、話していいですか?
私、4×4(:フォーバイフォー※四輪駆動のこと)が好きで、国産だとデリカの「D:5」をリフトアップして、アクロ(アクロポリス・ラリーの略)行きたいなっていうのと、外車だとオシャレにランドローバーの「ディスカバリー4」とかそっち系が好きですね。
一番最初に乗ったのがデリカのスターワゴンで良くキャンプに行っていました!!
基本的にどこでも走れる大きい車が大好きです♪
まとめ
加賀谷さん!いろいろとご回答いただきありがとうございました。
最後に、車が大好きな人だったのがわかりました♪車好きにもオススメできると言えるでしょう!
いかがでしたでしょうか?
今回の取材からまとめると、
・普通免許があれば独立開業できる
・宅配だけでなく企業配とスポット配送がある
・数をこなせば実際に稼げる
・現実的な働き方がオススメ
・業務委託契約を結ぶ業者によって働き方が様々
いろいろわかりましたね。
ぜひ軽貨物のお仕事に興味を持った方は株式会社MIRAISさんのWEBサイトでも説明されていますので、そちらもぜひご確認ください!
MIRAISさん登場の記事はこちら
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