【互助交通有限会社】タクシー業界“人材不足”の攻略ヒントがここにあった
「くるまのシゴト(車が関係する企業)で活躍する企業の魅力を知ってもらう」をテーマにドライバージャパンが企業へ取材をするコーナーです。
今回はYAYOIちゃんと東京都錦糸町にあるタクシー企業、『互助交通有限会社』の社長中澤さんにインタビューをしてきました。互助交通さんはネットや雑誌などの紙媒体、そしてテレビ出演など様々なメディアに出演するほど話題性盛りだくさん。なぜ20代、30代の若手ドライバーが集まり、日々メディアに取り上げられているのか?真相を解明すべく取材してきました!タクシードライバーを目指す人や、“人材不足で悩んでいる企業担当者”も必見です。
互助交通有限会社について
互助交通:社名の由来
YAYOI:まず『互助交通』という会社名の由来を教えて下さい。
中澤社長:「互いに助け合える、言葉を交わす、心を通わせる会社」。
初代である祖父の考えに「従業員全員が、助け合って会社をやっていく」という気持ちがあったのではないかと思っています。
創業してどのくらい
YAYOI:創業してどのくらいになるんですか?
中澤社長:昭和30年からですので、もうじき65年になります。2月11日が創業記念日です。建国記念日と同じ日なんですが、創業時は建国記念日じゃなかったんですけどね。何かの縁ですかね。
YAYOI:中澤社長が会社を引き継いだきっかけは?
中澤社長:実は、私の父が会社を継いだのですが、本業が医者だったんです。そのため一時期叔父が実務を引き継ぎ、会社の運営を行っていましたが、私が入社するのを機に私があとを継ぐという形になりました。
錦糸町について
YAYOI:ちなみに「錦糸町」に営業所を構えた理由は?
中澤社長:それは分からないです。考えた事が無かったですね!
YAYOI:タクシー事業をされている上で「錦糸町」ってどんな町ですか?
中澤社長:う~ん、どうですかと言われると……。悪い場所ではないです。「下町」って感じの人情が感じられるところに会社があるのは良い事なのかなと。
中澤社長について
中澤社長の経歴
YAYOI::そんな中澤社長の経歴を教えて頂けますか?
中澤社長:普通に大学を出まして、前職は日産でエンジニアをしていました。完全に技術屋さんです。
もともと、車が大好きで就職したんです。車に携わる職種を希望したんですが、配属されたのが、工場の製造技術だったんです。30歳になる少し前に、父から突然電話がかかってきたんですよ。「いつまで今の仕事をするんだ!?」と言われまして、しょうがなく戻ってきたというのが正直な話ですね。ただ、うちの兄が違う系統の大学に行ったんですよ。だから「いつか自分に話がくるんだろうな?」と思ってはいました。
YAYOI:あとは「車が好きだから」というのも関係がありますか?
中澤社長:ええ、子供の頃からタクシー屋ですからねぇ。小さい頃、家にものすごい数のミニカーがあって……、その影響もありますね。とにかく車が好きで、マニアックな車なんかも大好きでした。そうじゃないとロンドンタクシーなんか買わないですよ(笑)
YAYOI:そうですよね(笑)
今までに“苦労した”こと
YAYOI:では、次の質問なんですが、タクシーの経営者として苦労した事を教えてください。
中澤社長:人の管理ですね。従業員が多いですから。それと私が会社に入社した頃は、今とは随分雰囲気が違っていました。気性の荒い方とか、勤務態度の悪い方とかも一部分いましたね。そういう方とは、改善するように話合いを続け、中には退職される方もいました。そんな事が5年くらい続いて辛かったですね。前職でも、色々な方と一緒に仕事をする機会は多かったので、なんとなくですが対応の仕方はわかっているつもりでした。約束は守るとか、嘘はつかないとか、間違っていたら謝るとか、極単純な事ですけど、そういう「あたりまえの事」を一貫してやっていかないと会社全体がブレておかしくなるわけです。そこは拘ってやっていました。
“人材採用”がきっかけで始めた『コンテンツ施策』
—ここからかなりビジネスな話題になってきたのでインタビュアーをYAYOIちゃんからドライバージャパンスタッフ(以下DJスタッフ)にバトンタッチ。
WEBに注力するきっかけ
DJスタッフ:互助交通さんをネットで検索すると、「コーポレートサイト以外にSNSとかブログとか、動画番組とか外部のメディア出演、各WEB媒体による取材、そしてアプリの自社制作」などいろんな事をされていますが、いわゆる“WEBやアプリを使ったマーケティング”という目線で考えてしまうんですが、WEBに注力するきっかけは、どんな事が理由で始めたんですか?
中澤社長:きっかけは人材採用でして、5,6年くらい前ですかね。普通に紙媒体など今迄の宣伝広告だとか新聞広告などに求人掲載をしても「人の採用ができない」という様な世の中の流れが出始めてたんですね。「じゃあこれから先にどんな方法で人材を集めないといけないのか?」と考えた時に「やはりWEBしかないんじゃないか?」と思ったのがきっかけですね。ただWEBでも求人サイトはたくさんあるんですけど、出しても無意味じゃないかな」と思って。
求人広告が無意味と思ったのはなぜ?
DJスタッフ:求人サイトが無意味?という理由を教えてください。
中澤社長:完全に無意味とまではいきませんが、自社の強みや色などをしっかり確立させないで広告を運用しても効果は薄いのでは?と考えています。実はタクシー会社って東京だけで400社以上あるんです。ネガティブな話になりますけど、全業界と比較した時に「タクシー業界で働く事を考えている人は少ない」と考えていたんです。タクシードライバーとして働きたいと思っている人がいたとしても、人材確保に大手のタクシー会社と戦わないといけないわけです。大手のタクシー会社って当社の10倍20倍と規模があるんです。となると普通に求人広告出しても戦えない。求人だけに頼らず、他の方法でなんとかしていかなくてはいけないと考えたわけです。自社の魅力を作りつつ、自社の事を知ってもらい、自社のファン層を作って行く事で採用に持っていけたらいいなと思って、WEBのいろんな施策方法を試すようになりました。
DJスタッフ:なるほど、きっかけは「人材採用」という事ですね。5、6年前だと2015年頃、どの業界も大手企業がどんどん「WEB広告」に投資をするようになった頃ですね。
中澤社長:そうですね。その風潮の始めの頃ですね。
DJスタッフ:もう「求人広告だけでは人材採用は難しい」という時代になっているという事ですね。
中澤社長:そう思いますね。ただ、幸いにも、まだよその会社が求人広告以外の施策をやっていないので助かっているというのも現状です。
DJスタッフ:例えば、求人問わず他の業界でも、広告にずっとお金を掛けないといけない状態になってきて、「大手との競合を避けるために他の対策をしていく」というケースもよく見られます。それがドライバー業界にも来てるという事ですね。SNSもそういう発想でされているという事ですか?
中澤社長:そうですね。当社では「いろんな方とコラボをしていく」というテーマで、コンテンツを作ってます。それらを発信していくのにSNSを使っています。SNSで発信を始めたという事はWEB検索以外にも「互助交通を知ってもらう窓口が増えた」という事です。
ちなみに、互助交通のTwitterアカウントにもなっているキャラクターは「GOJOUSAMA(:ゴジョウサマ)」という名前が付いています。他にも「おこじょのごじょごじょくん」というのがいます!
YAYOI:可愛い!「おこじょのこッ……。」(言えてない)
DJスタッフ:完全にWEBマーケターですね!ブログも中澤社長が書かれてるんですか?
中澤社長:毎日やらせて頂いてます。毎日ブログ書くのって地獄ですよ。(笑)今日の取材もこれで明日のブログを書くネタができたって思っています。街中を歩いてるときに面白い物があれば、すぐにメモしますよ(笑)これだけやっているんでアフィリエイト広告でも貼りたいくらいですよ。やり方わからないのでやってないんですけど。
※【外部リンク】互助交通さんのブログで弊社の取材を取り上げていただきました。
イメージガールを起用したきっかけは?
こんにちおひるごじょー_(┐「ε:)_#ニコニコ超会議2019 写真うpごじょ٩(* ‘ω’ *)وおまたごじょー
さいしょは互助嬢さまとタックンとぼく😻お手てに注目ごじょ(*´艸`*)フフ#互助交通 #超会議2019 #南楓 #小鳥遊くれあ #超会議2019コスプレ https://t.co/6DyTPC20Rd pic.twitter.com/VuoleHOhFo
— おこじょのごじょごじょくん🌅ロンタクde開運インターン募集中🚖🐭 (@gojogojo_okojo) April 29, 2019
DJスタッフ:毎日ブログ書くなんてすごいですね。ちなみにイメージガールを起用してるのもきっかけは人材の確保が理由ですか?
中澤社長:元々は人材の事が理由ではないんですよ。この二人は南楓:(ミナミカエデ)さんと小鳥遊くれあ(:タカナシクレア)さんと言います。二人ともたくさんのファンを抱えている子達なんです。きっかけは「ニコニコ超会議」の参加がきっかけでして、去年と一昨年に、「タクシー会社として車に絡めた何かをやっていく」という事で、痛車のロンドンタクシーを持って行ったんです。結構評判はよかったのですが、毎年同じことをしても面白くない、じゃあ次は一緒にイベントを応援してくれるアイドルを募集してみよう!ということになりまして『互助交通アイドルオーデション』をやる事になったんです。そこで募集をしてみたら、結構応募があったんですよ。その中から6人が選ばれて、ニコニコ超会議で自己アピールイベントを開催しました。それから最終的にオーディションでこの2名が選ばれました。
斬新すぎる「ロンドンタクシー×痛車」の発想は?
DJスタッフ:ロンドンタクシーを痛車仕様にするなんて斬新ですよね。初めて見たときは驚きました!そんなロンドンタクシーを導入するきっかけは何だったんですか?
中澤社長:ロンドンタクシーという車両に元々興味がありました。日本のタクシーって一般の方からすると「興味の対象にない乗り物」です。街中には多くのタクシーが走っていますが、それが家に帰って話題にならないじゃないですか?「こんなタクシーに乗ったよ」って話題になんてなりませんよ。「それでは産業としておかしいんじゃないの?」って以前から思ってまして、「もっとお客様の記憶に残るタクシー」を走らせないといけないのかなと。例えば、JRさんは電車にラッピングしていたり、たまに「SL機関車」を走らせてみたり色々やってますよ。「ななつ星」の様な豪華な車両を走らせてみたり。
※【外部リンク】クルーズトレイン「ななつ星in九州」|JR九州
それで、「移動という手段」しかないものから「旅の思い出」を作るという事を彼らはやっていて、「タクシーでもやっていかないと」と考えたんです。導入するまで大変でしたけど、新しい車を入れるならロンドンタクシーがいいなと思っていたので購入しました。
DJスタッフ:では、せっかく購入したロンドンタクシーを痛車仕様にしたきっかけは何だったんですか?
中澤社長:実は痛車に関してはよそからお声を頂いたんですよ。うちのブログやコンテンツを見た方からお声を頂いたのがきっかけです。
一台目の痛車なんですが、東京で痛車タクシーを走らせたいと話がありまして。実は痛車タクシーって地方ではいっぱい走ってるんですよ。北海道にしても九州にしても様々な場所で。東京に関しては無かったんですよ。正直、私は後ろのパネルみたいな二次元系のキャラクターに特に興味があるわけではなかったんですが、せっかく声をかけていただいた以上、やってみようと。
DJスタッフ:まぁ、抵抗は無かったと言う事ですかね?
中澤社長:そうです。抵抗はありませんでしたね。
DJスタッフ:ちなみにオートサロンのような車のイベントに出展されたりしないんですか?こんな珍しい車お持ちされているんで。
中澤社長:それは考えてないですね(笑)でも「痛車天国」とか「旧車天国」のイベントには呼ばれた事があります。それと「埼玉のアニたま祭」っていうアニメ系のイベントにもご招待頂きましたね。
※【関連リンク】痛車天国とは?イベントレポートinTMF【写真集付き】
DJスタッフ:そうそうYAYOIちゃんはアメ車だったりいろんな車と撮影して来たけど、痛車と『車両立ち』は初めて?
YAYOI:初めてですね!今まで、痛車を近くで見た事もないです。
DJスタッフ:ないよね。(笑)しかも痛車タクシー……。イベント出展されるときはぜひ呼んでくださいね!
中澤社長:コアなファンが付くかもしれないですねぇ。
YAYOI:痛車ってすぐに出来るんですか?
中澤社長:許可があれば、知ってる業者さんがあるので、ラッピングするのにはそんなに時間は掛からないですね。デザインを担当してくれたのは「痛車ロンドンタクシー」の時と同じ業者さんなんですけど、やはり上手いですね!
DJスタッフ:痛車は今何台くらい保有しているんですか?
中澤社長:ドアまでラッピングしてるのは3台ですね。全部柄も違うんですけど。今日撮影した車両は「大河原邦夫先生」っていうガンダムをデザインした方がデザインしてます。静岡の企業に物作りの組合があって、そこのオリジナルキャラクターです。それで、たまたまご縁があって知り合う機会がありました。仲介の方の協力もあって、スムーズに実現する事ができました。
DJスタッフ:カッコイイですね!しかもガンダムのデザイナーさんというのがすごい!
※【外部リンク】iXine|イグザイン 大河原邦男オリジナルデザインロボット on Strikingly
配車アプリ「S.RIDE」の開発に携わる
DJスタッフ:では、次はIT関連について。タクシー業界ではいくつもの「配車アプリ」が登場していますがどんな対策をされていますか?
中澤社長:当社として何かっていうのは無いんですけど、スマートフォンの発達によって、スマートフォンによる配車(タクシーを呼ぶ事)がより加速していくのかなと思います。当社も『S.RIDE(エスライド)』というアプリに登録しています。実は、このアプリの開発の際、少しだけお手伝いさせていただきました。まだ主流では無いんですが、今までの無線や呼び出しの配車は少なくなっていくのでは?と思っています。当社としてもそういった新しいサービスはやらざるを得ないですね。
DJスタッフ:すごいですね。アプリ開発に携わったんですね!
中澤社長:まあ、微妙な部分はありますけどね。例えば、他の配車アプリの情報だと無線の配車のうち25%程度がアプリの配車だったので、あんまり影響は無いかなとも思います。まだまだ認知度は低いですよね。まぁこれから伸びるんでしょうけど。
元々は一つのアプリから始まったサービスで、どんどん拡大していって大きくなったのが「JAPANタクシー」なんですよね。当社の所属する団体も作ったんですけど、徐々に他の企業に対抗する為にも参入せざるを得ない状況で参入したといった感じです。
DJスタッフ:YAYOIちゃんはタクシーのアプリは使ってる?
YAYOI:使ってます!電話より便利ですよね。
中澤社長:例えば、この『S.RIDE』は、操作が簡単で、最初にクレジットカードの情報を入力すると、降りる時もそのまま決済しないで降車する事ができます。ちなみにこのアプリは後発に生まれたアプリなので、他のアプリで浮き出てきた問題点をしっかり解消していて使い勝手が良くおすすめですよ。
※【外部リンク】S.RIDE[エスライド] 東京最大級のタクシーアプリ
異例すぎる“ゲームアプリ”を自社開発
DJスタッフ:あと互助交通さん独自で開発した“ゲームアプリ”もあると聞いたんですが、ぜひそちらもご紹介いただけますか?
中澤社長:遊び程度に作った物ではありますが(笑)
製作費は秘密ですけど。アプリを使ってタクシーに乗って降りると、距離に応じてポイントが貯まる仕組みです。ただ、短絡的に考えると「ポイント=割引」と考えますが、こちらはゲームが進行していく仕組みになっています。美少女などが好きな方たちに知ってもらいたく作りました。アプリ名は『GojoWORLD』です。サイトもちゃんと作ってあります。ゲーム内容も結構作り込んでいるんですよ。※GojoWORLDの公式サイトはこちら→
※【外部リンク】GOJO WORLD【ゴジョワールド】公式サイト|互助交通有限会社
YAYOI:キャラクター可愛い!
中澤社長:イラストはプロの絵師に書いてもらいました。コスプレ衣装もありますよ!
DJスタッフ:YAYOIちゃん着てみたら(笑)
YAYOI:え、着てみたい(笑)
中澤社長:まあ、これもコンテンツの一つですね。最初は当社だけでは、お客様が乗車できないので、弊社の所属しているグループに利用は無料で打診しましたが、参入してくれた会社は一社だけでした。まだまだ業界はアタマが固いですね。(泣)
DJスタッフ:ぜひ宣伝させて貰います!
中澤社長:この『GojoWORLD』は、海外のネットで掲載されたり、内閣府のホームページでも紹介してくれています。
DJスタッフ:な、内閣府!?すごいですね!!
中澤社長:「衛星を使った新たなサービス」という事で紹介されています。
ちなみにブログでも書いているんですが、痛車に関しても外務省が出しているクールジャパンのサイトで当社の車を取り上げてくれているんですよ。共同通信社から電話がありまして、掲載したいので写真を送って貰えませんか?と依頼がありました。
いろんなことをやってきましたけど、宣伝効果としてしっかりpay出来てる訳です。
DJスタッフ:無駄ではないという事ですね。
※【外部リンク】内閣府のホームページで「GOJO WORLD」が紹介されています。 | タクシー求人(ドライバー)募集中!互助交通有限会社(東京都墨田区)
知ってもらうマーケティングからブランディングの向上に繋がった
NHK「ニュースウォッチ9」で取り組みが、放送されました。https://t.co/z0J0glvT6X #コロナウィルス#NHK#ニュースウォッチ9 pic.twitter.com/QnvyFm3ziR
— 互助交通@新卒・転職タクシー乗務員積極採用中! (@gojyo_taxi) February 21, 2020
中澤社長:例えば、自分たちがTVに出させて下さいと頼んでも、とてもじゃないですけど出れませんし、CM数十秒流すだけでも一千万とか二千万と掛かりますからね。以前は『ノンストップ』で三分くらい紹介して下さったり、『高田純次のじゅん散歩』にも出演しました。あと痛車の反響から『おはよう日本』にも出演しました。いろんなメディアに出るようになって地元の知り合いから「中澤さんTVに出てたじゃない!」って言われる機会が増えましたね。
DJスタッフ:(笑)そういう事も元々WEBとか色んなコンテンツをやった結果、目に止まって取材になったという事ですか?
中澤社長:そういう事ですね。
DJスタッフ:なるほど、人材採用から初めたWEBコンテンツや、痛車ロンドンタクシー、そして自作アプリ。結果的に、様々な媒体を呼び込む「マーケティングがマーケティングを呼ぶ」施策になっていったというわけですね。
タクシー業界の変化
黒船のように現れた“ライドシェアサービス”
DJスタッフ:では、次の質問なんですが、近年タクシー業界で変化を感じる事ってありますか?
中澤社長:変化としては、とにかく人材が足りないってのはあるんですけど、「ライドシェアサービス(以下、ライドシェア)」が世の中に認知されてきましたよね。
例えば、Uber EatsをやってるUber(ウーバー)やLyft(リフト)と言われているサービスで、海外ではすでに当たり前になっているんですけど、日本にもどんどんそのサービスが黒船の様に入って来ています。それで、行政(国)としてはあまり乗り気では無かったんだと思うんですけど、政治的な影響もあって、やらざるを得ないとなったのかなと感じています。それでも、ライドシェアが攻勢を仕掛けてきたのが一旦落ち着いて、また最近動き出してきていますね。
しかし、ライドシェアを活用して働く方が増えてくると心配なのは事故などのトラブルですよね。カリフォルニア州では、雇用関係が存在するから、保険料は企業側が払わないといけないという約束がされているんですね。多分、日本でもそのような動きになるんでしょうけど。タクシー業界からの視点で確実に言えるのはライドシェアは海外から黒船のように入ってきた大きな出来事になります。
DJスタッフ:なるほど。では、近いうちに日本でもさらに広がると考えますか?
中澤社長:う~んどうかな、意外と広まらないのかなと思っています。日本人って保守的な所が強くて、ライドシェアの怖い所というのが、ドライバーの顔が見えなくて、何かあった時の企業側の責任がないんですね。例えば、車が事故を起こしてお客様が怪我をしても、ライドシェアサイドは一切責任を負いませんとホームページに書いてあるわけです。責任はドライバーの保険でやって下さいという事ですね。ドライバーとお客様で直接交渉してくださいという事です。その様な事はまだ表立って出てきていないんですけど、意外とそのような事が周知されてくると日本の人としては使いづらくなるのではと思います。
タクシーの場合、もちろんあってはいけませんが、事故があった時は保険が義務化されてますから、もし対応に不満があったとしても最低限の保障はされます。そういう事もありますので、ライドシェアサービスの存在は認められつつも、そこまでは大きくならないのではと思います。ただ……、ゼロではないですからね。(ボヤッ……。)
中澤社長に聞く“10年後のタクシー業界”
DJスタッフ:そんな中澤社長にお聞かせいただきたいんですが、10年後や将来のタクシー業界っていうのはどうなっていると考えますか?
中澤社長:それは予測できないですね(笑)明日どうなるかも分からないですし。まあ、10年後っていうと現状のタクシーの台数は要らないんだろうなっていう感覚はあります。
やはり、今は少子化などで日本の人口が減少し続けていますよね。じゃあどうすればいいんだろう?となると、従来の「”流し”で乗客を乗せていく」という事から「観光を絡めた」サービスを各社が積極的に導入したり、タクシーの利用方法が多様化していくのでは?と考えています。
DJスタッフ:移動手段だけでなく「コンテンツとしてのタクシー」って事ですね。そうなるとタクシーで観光を絡める際、資格が必要みたいですが、互助交通さんでは取得する考えはありますか?
中澤社長:取得している企業もありますが、どの程度オーダーがあるのか?取ったからどうなの?っていう感じもありますね。取るだけだと効果はないですからね。実際に何をやるのか?
例えば、当社の様なロンドンタクシーのような車両があると、強みにはなるとは思います。
昨年なんですが、Vチューバーの富士葵ちゃんって方とコラボして、その痛車に乗りたいって来てくれたりもしました。やはり「人の思い出に残るタクシー」を考えていかないといけませんね。
YAYOI:(動画見て)な、何これ!すごい!人間じゃない!(驚)
中澤社長:あとは自動運転も出てくるのではないのかと思います。ただ、10年くらいでは……、まだ完全な自動化は無理だと思います。
人材不足の解決策
DJスタッフ:次の質問ですが、今後の人材不足の解決策を教えて下さい。
中澤社長:むしろ教えて欲しいです!(笑)
DJスタッフ:そうですよね!(笑)
中澤社長:例えば、YAYOIちゃんの様な方が入社してくれたいいですね(笑)
YAYOI:え?私?!
中澤社長:ホームページのトップに出てくれたりしたらいいですね(笑)インスタとか、TikTok(:ティックトック)を更新するとか。
YAYOI:え?そのくらいだったら全然できます!
中澤社長:例えば、某不動産会社で、可愛い子が入社して、その子をホームページのトップに出したら、翌年の応募者が増えた事例があるようです。
まあ、他にも解決策があればいいですけどね!少子化も進んで、労働者人口も減りますし、難しいですよ。タクシーは人材が少なく不人気の産業の一つになってますし。ドライバー業界全体が大変ですよね。YAYOIちゃんの働く陸送もそうですよね!偉いですよ。
DJスタッフ:日本の人口が少なくなるにあたって、外国人の採用は考えていますか?
中澤社長:実は考えています。
ただ、就労ビザが取れないんです。「タクシーは単純産業になる」からだそうです。単純ではないんですけど。
となると、行政(国)がもっと積極的になって「業界のイメージを変える企画」をして欲しいですね。例えば、介護は国で見直しがあり、免許の枠が広がった様です。タクシーに関しても条件や免許の緩和の動きがあると聞いてます。可能でしたら、高校卒業後でもすぐにタクシードライバーとして働けるような環境にしてほしいですね。
そして、当社の取り組みとして、タクシーの「イメージを変えたい」と思っていろいろやっていますが、結果、少なからず若い方の採用にも繋がっています。
キャラクターを起用したり、痛車作ったり……、までとは言いませんが、業界の固定概念を変えていかないとタクシー業界はいつまでも変わらないですね。ネットでもネガティブな事がたくさん書かれていますから。解決策は『企業イメージを変えていく事』ですね。これが大きな解決策だと思っています。
最後に
互助交通が求める“人材”
DJスタッフ:今後どんな人材を求めていらっしゃいますか?
中澤社長:難しい事はなく、
- 向上心がある人
- 自分の管理ができる人
大事なのはこの二つですね。
あとは、
- 車の運転が好きな人
ここは絶対に必要ですね。一日走りっぱなしなので、運転が嫌いだと向かないです。YAYOIちゃんは向いてますね!
来年また新卒で女性が入るんですが、何より女性ドライバーが欲しいですね。女性がいると、会社の雰囲気が変わりますから。
そして若返って、活力のある企業にしたいです。現在も20代のドライバーはいますが、若い方が働きやすい会社にしていきたいです。だからと言って若い方だけでなく、年齢関係なしに会社が楽しくなるようにいろんな事に挑戦していきたいです。
DJスタッフ:最後に若い、タクシードライバーを目指す方に「心がけて欲しい事」はありますか?
中澤社長:働く中で大変な事もたくさんあると思います。でも、それ以上に魅力のある仕事だと思っています。興味があったら、とりあえず話を聞きにきてみてください。
編集後記
中澤社長!お付き合いいただきありがとうございました!とにかく“WEB制作の会社”なのかと思ってしまうくらい、クリエイティブな発想と実行力を持った会社でした。ぜひタクシードライバーを目指している方はもちろん、WEBやITに携わっていた!なんて人にも活躍できる会社だと思いました。今後の中澤社長のアイデアが気になる方は互助交通さんのTwitterアカウントをフォローしましょう!
【告知】YAYOIちゃんが○○になっちゃう……?! 写真集が近日公開予定!
DRIVER JAPAN GIRLSのYAYOIちゃんと互助交通さんのコラボ写真集が近日公開予定!!
こちらの写真集では、互助交通さんが所有されている車両や、営業事務所など写真を通して雰囲気を伝えるコンテンツとなっています!お楽しみに!
協力
互助交通有限会社 本社
東京都墨田区江東橋4-14-7
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