光洋自動車さん対談記事

【光洋自動車株式会社】取材!タクシー業界の変化と動向

「くるまのシゴト(車が関係する企業)で活躍する企業の魅力を知ってもらう」をテーマにドライバージャパンが企業へ取材をするコーナーです。
今回は、前回「タクシー運転手【一問一答】」板橋に営業所を構えるタクシー会社『光洋自動車株式会社』さんに企業取材をしてきました。
そして、実はタクシー業界では近年大きな変革を迎えていたのはみなさまお気づきでしたでしょうか?
言われてみて「そういえばタクシー何か変わったね?!」って思う方も少なくないはず。
そんなタクシー業界の「変化」と「今」、そして「今後の動向」について、誰が見ても分かりやすいようにYUIKAちゃんと聞いて来ました。

“光洋自動車株式会社”について

『理解と信頼に基づく共存共栄』(光洋自動車:理念)

光洋自動車の専務 堀越さん
YUIKAまず業界のお話をお伺いする前に、光洋自動車さんについてお伺いしたいと思います。最初に“会社名”の由来を教えてください。
堀越専務:「光洋自動車」という社名は先先代が命名しました。海軍として海に出ていた先先代が、船上で太平洋の海を見て思いついたんです。「太陽の光と太平洋」で光洋という社名がつきました。今年で創業70年になります。
YUIKA:創業70年!とても歴史がある会社なんですね。そんなお二人の経歴について教えてください。
堀越専務:大学を卒業してすぐに、IT職種のプログラマーをしていました。その後、IT業界を転々としていたんですが、家業を継ぐ形でタクシー業界に入ってきました。異業種からの転職ですが、光洋自動車で働く親を見て育ったので、すぐに慣れることができました。
原田部長:私はずっと車関係の仕事に携わっていまして、日産自動車で10年間営業販売の仕事をしていました。その後レッカーの仕事、事故現場に駆けつけるロードサービスで15年間働いていました。そして光洋自動車にタクシードライバーとして入社しました。前職がロードサービスなので「事故係をやってくれないか?」ということになりまして、それからずっと営業部長として責任者をしています。毎日楽しく仕事をさせていただいております。
YUIKA:従業員のみなさんも楽しそうに仕事をされてますよね。

光洋自動車のドライバーさん
YUIKAそんな光洋自動車さんが一番に大事にしていることを教えてください。
堀越専務:私たちの一番の使命として、「安全のもと、感謝の気持ちと共にお客様を目的地へお送りする」ことを掲げています。そして常に変化して行く時代に対して、会社、従業員、それぞれが使命を果たすべく企業の成長を目指しています。
光洋自動車さんの大会議室
YUIKAそんな光洋自動車さんの社風を教えてください。
堀越専務「居心地の良い会社」ですかね?
とにかく居心地のいい環境を従業員やその家族にも提供していきたいと常日頃考えてます。
居心地の良さを実感してもらうために様々な取り組みを行なっています。フレックス出庫と言って働き方や出庫時間を自由に選択できる制度を設けています。まぁ前回の記事を見ていただけたら伝わると思うんですがとにかく自由なんです。家族も気軽に参加できるクラブ活動や企画を用意しています。もちろん自身のキャリアアップに繋がる活動も行なっています。
※【関連リンク】福利厚生・待遇 | 光洋自動車株式会社|東京都板橋区のタクシー会社

タクシー業界の“変革”

YUIKA:ではそんな光洋自動車さんのお二人にタクシー業界について色々聞いてみたいと思います。

タクシー業界で大きく変化したこと

光洋自動車の所有している タクシー(クラウン)
YUIKA近年、タクシー業界で大きく変化したことを教えてください。
堀越専務:大きく3つ上げますと。

1つ目は、タクシー車両の転換期がありました。車両の運用面で資金運用を考えるケースが増えたと思います。

2つ目は、シェアリングサービスの参入。海外のウーバー(Uber)やグラブ(Grab)などのシェアリングサービスが日本に参入したことで競争相手が増えました。

3つ目、配車アプリを利用するユーザーの奪い合いが起きました。配車のIT化が目まぐるしかったですね。

配車アプリはそれぞれのグループ(日本交通や東京無線など)で出しているので、アプリのダウンロード数で左右されてしまいます。アプリのマーケティングに頼る傾向がありました。ただ最近の動向として、グループ同士が連携し合っていて、それぞれのアプリで「お互いのタクシーを呼べるようにしましょう」という動きがあります。例えば、最近では日本交通さんのグループで出しているアプリでうちのタクシーが行くこともあるんです。そういったグループ同士の連携の動きが目立っています。アメリカを始めとした海外の資本はとにかく大きいので、対策できるように日本のタクシーグループが協力し合うようになっています。グループといえば、一般的に競合他社というと“ライバル=敵”の位置づけとなると思うんですが、幸いにもタクシー業界は、「グループ感の仲」が非常に良く、情報交換などしやすい環境になっています。なので一枚岩になりやすい。「国内の業界全体」でまとまることができるネットワークがあります。

“タクシーの形が変わり”業界全体が変化

光洋自動車の営業部長 原田さん
原田部長:やはり、車両の転換が大きな影響を受けています。安全装置もそうですし、車の形もそうです。
そこから全体イメージが変わってきていると思います。例えば新しい車両「JAPANタクシー」は車椅子も乗せられる車なんですが、障害など体を悪くしている方でも利用しやすくなっています。ちなみに介護の研修も必須なので、乗り降りの補助など、そうした研修が必須になっています。
それと最近、東京で見るタクシーって「色」が統一されているでしょ?車両の変化を引き金に「日本のタクシーに統一感」というのが目に見える形で分かるようになりましたよね。
YUIKA:最近よく見かけるタクシー(車両)がJAPANタクシーなんですね。

JAPANタクシーの台頭

光洋自動車の所有している JAPANタクシーとYUIKA
YUIKA是非JAPANタクシーのことや影響について詳しく教えてください。
堀越専務:オリンピックを見据えた車両と言われていますよね。色も統一されているんですがあれは東京都からの指定になっているんです。少し前まではタクシー車両の色で、「どこのタクシーグループか」を見分けることができたんですが、今はもう分からないくらい一色ですよね。
光洋自動車の所有している JAPANタクシーとYUIKA
原田部長:10年以来のモデルチェンジでしたので、当初はタクシーって認知されていなくて最初は手を上げてたのに下げられちゃうなんてことがありましたよ。「タクシーなのかな?」って。(笑)
それが今はもう、認知が広まって、逆に「JAPANタクシーに乗りたいから他のタクシーには乗らない」なんてことも耳にしますね。
YUIKA:車の変化が利用者にとっても大きく影響しているんですね。

セオリーや結果が詰まった“AIタブレット”

光洋自動車の所有している JAPANタクシーの車内
YUIKAちなみにIT技術の急速的な成長に対してはどんなことを取り組んでいらっしゃいますか?
堀越専務:僕らが所属する東京無線グループでは、NTTドコモさんと営業のデータを連携して、各社に営業用の「AIタブレット」という端末が配られました。「この時間のこの場所にお客さんがこのくらいいるよ」みたいな解析データを見ることができるんです。弊社でも積極的に導入して新人さんに参考にしてもらっています。東京といえど広いですからね。タクシー経験がない新人さんだと「お客さんがたくさんいる場所」なんて分からないじゃないですか?そこでAIタブレットを参考に動いてもらうんです。昔だと、とにかくいろんなエリアに行って感覚で掴んでいくことが一般的でしたが、デジタルなツールによって未経験者でもすぐにお客さんをたくさん乗せることができるようになりました。

YUIKAタクシー運転手さんって「感覚で仕事を覚える」っていう話を聞いたんですが……?

堀越専務:以前は逆にそれしかなくて、「とにかく走って、経験して自分でセオリーを構築していけ!」だったんですが。そのセオリーや結果が詰まっているのがAIタブレットなんです。もちろん、とにかくいろんなエリアを走ることは今も重要ではあるんですが、新人さんが「見方を覚えて活用」していけば「どこを走ったらいいか分からない」なんてことは少なくなります。あと、「新しいところを行きたがらない」ということも少なくなりましたね。自分の知らない新しいエリアを開拓していくことって結構「勇気」がいることなんです。道が分からないだけでなく、お客さんがいるか分からない訳ですから。でも実際に参考データがあれば気分的にも行きやすくなりますよね。AIタブレットが出てくる以前にも、「この時間にお客さんがいます」っていう予測ができるツールはありましたが、AIタブレットは天候や日時などあらゆる環境を取り入れた「リアルタイムに正確なデータを表示」することができるんです。
YUIKA:なるほど!どこの業界もデータって重要なんですね。

タクシー業界の今後

光洋自動車さんの取材で質問をするYUIKA
YUIKAでは10年後のタクシー業界ではどんなことが起きていると予想されますか?
堀越専務:これは難しいですね。今すごい変革期なんで。最近の車業界の変革期間がだいたいそのくらいの期間なので。2、3年単位だと読みやすいですよね。
原田部長やはり統一がより進むんじゃないんですかね?例えばイギリスのロンドンタクシーを例にすると、ロンドンタクシーはグループで別れていないですからね。あとはお年寄りや障害者の方による利用価値の向上は今後も進んで行くと思います。そして、料金の問題。料金を上げると利用するお客さんが減りますし、逆に下げるとドライバーさんの負担は増えてしまうので、その辺のバランスを考慮した施策を国をはじめとして展開されるかもしれませんね。

“人の移動”に変革が起こる?

光洋自動車の専務 堀越さん
堀越専務:料金といえば、より「公共性が高くなる」。実現されるかは定かではありませんが、現在、国交省が掲げている「MaaS(マース:Mobility as a Service)」と呼ばれている構想があります。電車とかバスとか飛行機とかタクシーという括りでなくて、ドア・ツー・ドアで「ここからここまででいくら?」みたいな構想があるんですよ。IT業界で「SaaS(サース:Software as a Service)」ってあるじゃないですか?そのモビリティ版が「MaaS」なんです。構想モデルがフィンランドから来ていて、例えば、最近町で「自転車のレンタル」をみかけませんか?「シェアサイクル」と言って、ここから目的地まで行くには自転車と電車とタクシーを使って合計していくらとか。今まで別々の料金を支払っていたものが統一された形で支払いをする構想なんですよ。もしそれが実現されれば、今まで別々にあったモビリティ(移動手段)がシームレスになりますので、今までの移動する手段に大きな変革をもたらします。一方タクシー事業は、電車やバスのように移動の一躍を担う「公共性の高い」事業になっていくのではないかと考えています。
【関連リンク】~MaaS元年!先行モデル事業を19事業選定~ – 国土交通省
【関連リンク】SaaS – ウィキペディア

“キャッシュレス”の対応について

光洋自動車の堀越さんと原田さん
YUIKAITといえば、“キャッシュレス”が普及して来ましたがタクシー業界ではどんな対応をされているんですか?
堀越専務:毎年対策に追われているような感じです。(汗)
「SUICA」から始まって今は「QRコード」だったり語尾に「ペイ」がつくような「キャッシュレスサービス」もたくさん出ています。最近では中国系のキャッシュレスサービスなんかも対応しています。
原田部長:決済サービスは多様化が進んでいるので、導入が決まったら対応できるようにしなくてはいけません。お客様によっては使いたくても使い方が分からないということもあります。機械がやってくれるとはいえど、ボタンを間違えてはといけませんからドライバーさんも覚えていかなくちゃいけませんよね。なのでスムーズに対応できるように導入前から決済方法の研修を開くんですが、実際ドライバーさんの顔を見るとやっぱり大変そうですよね。(笑)
YUIKAスマホアプリの配車予約についてはどうですか?
原田部長:まず配車の方法は電話配車とアプリ配車の2つがあります。どちらも配車予約が入ったらドライバーさんに通知されるようになっています。無線が鳴ったとたんに5分か10分で駆けつけることができる車両が向かいます。
堀越専務:ちょうど3、4年前くらいから導入が始まったと思います。
電話配車とオペレーションはほとんど変わらないのですぐに慣れてくれました。どちらかというとお客様が間違って同じ場所に何台も呼んでしまうということがよくありましたね。今ではそんなことは減ってきましたけど。ただ配車のアプリの導入によってさらにデータが構築されてきましたので仕事の効率化に実感できる効果はありましたね。

若い人たちが活躍できるタクシードライバー

光洋自動車の所有している JAPANタクシーとYUIKA
YUIKA話は変わりますが、新卒でドライバーになられる方って多いんですか?
原田部長:走っててつくづく思うんですけど、若いドライバーさんが増えてきましたね。後ろ見たら若い方が運転手やっていたり、女性のドライバーも見かけることが増えましたよ。年を感じちゃいますね。(笑) 接客も最近はしっかりした教育があって昔のタクシーの運転手さんっていうのは少なくなってきましたよね。弊社だと一番若手で27歳のドライバーがいます。その子は大学の法学部出身で卒業してすぐにタクシードライバーをやっています。今も昼勤務で働いているんですが、常に「売り上げベスト3」に入っています。若い人は事故が心配だったりするんですけど、有望な若い子たちに事故を起こさせないために、私たちは働く環境を常に考えて整えています。まだまだ新卒からの入社は他業界と比べると少ないと思います。ただどこのタクシー企業も積極的に新卒を歓迎する活動を行なっているのでこれから増えて行くと思います。

タクシードライバーのキャリアについて

光洋自動車の所有している JAPANタクシーとYUIKA
YUIKA例えばタクシードライバーになったとして、気になるのがキャリアだと思うんですけど、若い人のタクシードライバーとしてのキャリアはどのように進んで行きますか?
堀越様:弊社でいえば、サービスリーダーという上級の役職があります。テレビ局などの配車を受けたりなど、よりVIPなお客様を相手にするような重要な役職です。それ以上ってなると……。実はないんですよね。だけど、そこから若い人が違う業界に転職をするという見方でいうと社会人としての下地には確実になると思います。あとは個人タクシーというキャリア選択もあります。
原田部長:私も社会人のステップとしてはとてもいい仕事だと思います。何よりも仕事した分稼げますからね。そしてどんな業界でも人様にお尻を向けてする商売なんてないでしょ?挨拶や言葉遣いもそうですし、いろんなお客様を乗せてコミュニケーションを交わしていく過程で人間としての成長をしていくことができます。中には大手企業の社長さんだったり、普段話す機会がない人と話すことができるわけですから、世の中を知ることでどんな相手でも自信を持って会話することができるようになります。
あと二種免を持っていることで、例えば転職してもなかなか自分に合う仕事に出会えなかった時、この免許を持っていればいつでもタクシー業界に戻って来れますから、オーバーかもしれませんが少なからず人生の安心を得ることで自信に繋げて行くことができると思います。
光洋自動車の堀越さんと原田さん
YUIKAということはキャリアステップとしての入社でも歓迎されますか?
堀越専務:もちろん大歓迎です。
原田部長:もちろん、寂しいですけど。まぁ辞められる時は誰か一人連れてきてくれれば(笑)そして「うちの会社は良かった!」って周りに言ってくれるだけでも嬉しいですよ。

人材不足の対策について

光洋自動車の専務 堀越さんとドライバージャパンガールズのYUIKA
YUIKAドライバー不足は年々深刻化が進んでいますが、人材不足に対して取り組んでいることがあれば教えてください。
堀越専務:やっぱり求人だけに頼らないことですかね?タクシー企業なんてたくさんありますから、求人だけでなくいろんなところにうちの会社が顔を出していきたいと思っています。あとは未経験者の方には面接ではなくて会社見学をオープンにしています。少しでもタクシードライバーに興味がある方に、実際の仕事を見てもらいでたいですね。

最後に

光洋自動車の営業部長 原田さんとドライバージャパンガールズのYUIKA
YUIKAでは最後に、光洋自動車さんの今後の展望や目標を教えてください。
堀越専務僕も同じですね。社会地位の向上というか少しでもイメージを良くしていきたいです。やっぱりバブルの頃のイメージを引きずっているっていうのが現状だと思うんですよね……。一方、ロンドンタクシーなんかはそれなりに社会に認められている職業っていう実例があるので、それに近づけていきたいですよね。とは言っても今のタクシー業界には「勢い」があります。タクシー業界の団結力がありますから、今後若いドライバーが増えていけばよりイメージを逆転させるだけの力はあると思います。
原田部長:私もタクシードライバーのイメージをより良く向上させていきたい。世間の地位というか。極端な話、飛行機のパイロットも運転手さんじゃないですか?操縦する乗り物のレベルが違うかもしれませんが、「お客様の命を運ぶ」という意味では同じなんです。パイロットって聞けば「すごいなー!」「かっこいいなー!」なんて声があると思うんですが、「すごいねー!タクシー運転手やってるんだ!」なんて言われるくらいの業界イメージにしていきたいですね。

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DRIVER JAPAN GIRLS YUIKAちゃんと光洋自動車さんのコラボ写真集 近日公開予定!!
光洋自動車さんの車両や施設でドライバージャパンガールズのYUIKAちゃんが撮影してきました!
写真を通してタクシー車両や光洋自動車さんの魅力を体感できます!お楽しみに!

協力

YUIKAちゃんと光自動車さんのタクシー車両
光洋自動車株式会社
東京都板橋区新河岸2-7-12
コーポレートサイト

 

 

 

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YUIKAちゃんのプロフィール画像

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