【株式会社MIRAIS】軽貨物の未来を『つなぐ!』
「くるまのシゴト(車が関係する企業)で活躍する企業の魅力を知ってもらう」をテーマにドライバージャパンが企業へ取材をするコーナーです。
今回はAZUSAちゃんと『株式会社MIRAIS』代表の重松 宏志さんにインタビューをしてきました。MIRAISさんは東京・神奈川・千葉・群馬を中心に活躍する軽貨物の企業です。『ドライバーの幸福を追求する』そんな思いを掲げていて、実際どんな会社なのか、そして軽貨物業界の今後と将来について語っていただきました。
目次
会社名の由来
ーーまず、会社名の由来を教えてください
『MIRAIS』は「未来」を複数形にした造語です。
起業する際、「未来の“つなぐ”を創造する」という会社のスローガンを作りました。
これから将来、様々な変化が起きていく中で、「未来の“つなぐ”を創造し続けたい」という意味が込められています。
ロゴも意味を込めて作りました。
未来の頭文字である「M」を連ねて配置することで、様々な「未来のものをつなぐ企業」であることを表現しています。また、フォルムは進むべき道(未来図の創造)を示す北極星を想起させるものとなっています。カラーは下部の濃い青が夜空を表現しており、上部の黄色は星(未来)の輝きを示しています。
事業内容
ーーでは、メイン事業である軽貨物事業の内容を教えてください。
全国の荷主様に我々のサービスを知ってもらい配送のお仕事を頂き、そのお仕事を弊社と契約している個人事業主のドライバーに斡旋する事業です。
業務委託ドライバーも年々増え、2019年度は100名近くのドライバーと新たに契約を締結することができました。
重松社長の経歴
ーーそんな株式会社MIRAISを率いる、重松社長の経歴を教えてください。
自動車が小さい頃から好きだったので、高校卒業してすぐに自動車整備の専門学校に入学しました。
卒業後は自動車メーカーで整備士として働いていましたが、すぐに軽貨物業界に入りました。
なぜ整備士を辞めて軽貨物業界に来たかというと、
小学生の頃から、とにかく「経営者」になることを目指していたんです。
「絶対に経営者になる!」って卒業文集にも書いていたんですよ。
せっかく自動車メーカーに入社できたのに、整備士として働いているうちに、キャリアを積んでも独立にはまだまだ時間が掛かると思ってすぐに退職を決めました。
そして、営業や不動産の仕事を経て、21歳で軽貨物業界のことを知り大手軽貨物業者「A社」の委託ドライバーとして独立開業しました。
ーー委託ドライバーとして独立されたんですね。軽貨物業界を選ばれたきっかけを教えてください。
「資金をあまりかけず21歳の自分でも独立開業しやすい」という情報を見て、軽貨物の委託ドライバーに興味を持ちました。実際に話を聞いて、「簡単に独立開業できる」とのことで、本当かどうかはさて置きすぐに飛びつきました。もちろん、ノウハウもないですしネットワークもない状態でしたので、業界でシェアを持っている「A社」の委託ドライバーとして契約しました。ネットワークを広げていきたい理由で、自分で積極的に営業して仕事を取っていました。
とにかく、思いつくところに営業に行きました。工業地帯だったら、その周辺の会社に片っ端から行きましたね。
「スポットの仕事を貰ったり、自分で仕事を集めて仕事をこなす」そんなことを繰り返していました。
毎日寝ないで、休みなしで働いてましたね。月額で最高130万円くらい稼いだこともあります。
でも、今思うと若かったからその働き方ができたんだと思います。
若い人でも絶対にお勧めしない働き方です。(笑)
一年間、必死に働いて、資金の確保ができたタイミングで法人化しました。
独立から法人化へのきっかけ
ーー個人事業から法人化させたきっかけを教えてください。
2005年頃、まだドライバーとして働く中、EC市場の拡大を身をもって感じていました。
「だからチャンスだ!」と思って、規模を大きくしていこうと法人化を決めました。
当時は、株式会社JET(ジェーイーティー)という会社を立ち上げたんですけど、あくまでその会社はまだA社に加盟した会社だったんです。「独立」を追求した自分には物足りないと感じていました。
とはいえ、業界シェアを大きく持っていたA社で働いていた頃は、いろんなことを学ぶことができました。
A社で学んだノウハウを活用して、24歳の時に『株式会社FOX』を設立(2008年)しました。2019年に『株式会社MIRAIS』に社名を変更し、今年で設立から12年目を迎えています。
軽貨物業界で「大変だ」と感じたこと
ーー軽貨物業界に携わって、重松社長が「一番大変だった」と感じたことを教えてください。
昔からの課題なんですが、
・業界イメージを変えていくこと
・ドライバーの確保と仕事の供給バランス
この2つですね。
業界イメージを変えていく
ーーでは、まず業界イメージについてお聞きしたいんですが、重松社長が働き始めた当時の「軽貨物業界のイメージ」を教えてください。
当初は年配の方が多く働くイメージがありました。
定年後のセカンドステージを過ごす、「ゆっくり働く」みたいなイメージが強かったですね。
A社で働いていた時は、60代の方がたくさん働いていました。
私は20代前半で次に若い方が40代だったんです。
A社に限らずとにかく軽貨物業界は年配者が多いというイメージでした。
まあ、それはそれで働きやすかったですし、仕事の先輩というか人生の先輩だらけで社会に出たばかりの自分にとっていろいろと学ばせてもらいました。
あともうひとつ、「稼げる」と素直に思いました。
一生懸命頑張れば、月に130万円くらい売り上げる事ができたわけですから。
ーー業界イメージを変えるために、具体的にどんな事をされていますか?
必ず守らなくてはいけないルールの中で「変えられる部分はなんだろう?」と考えて、変えられることがあればすぐに実行しています。
例えば、オフィス環境。
ご来社いただいたすべての方に、「え?ここは運送会社?!」なんて思われるように工夫をしています。
さらに制服規定を作って、内勤や社内で働く社員はスーツで仕事をしてもらってます。
昔からある「運送=作業着」みたいなイメージも変えていくべきだと思っています。
そして弊社では電話の応対など研修プログラムを用意しています。
人事を担当する内勤者は人と接する機会が多く、入社時はそれを受講してもらって、言葉遣いやモラルの問題など「あたりまえのことを徹底する」そんな教育をしています。
ーースポーツチームのスポンサーになられているのも、イメージ戦略のひとつですか?
イメージ戦略というよりも、私が「スポーツ好きだから」という理由が大きいかもしれません。(笑)
現在サッカーのJ3に所属する「Y.S.C.C」と、ラグビーの「リコーブラックラムズ」のスポンサーをしています。
選手のみなさん、とてもアグレッシブなのですごい刺激を貰っています。
スポーツって嫌いな人よりも好きな人が多いじゃないですか?
それに、観戦している人を盛り上げるだけでなく、子供達に夢を与えてくれる。
だからスポンサーとして一緒に応援したいって気持ちではじめました。
弊社としてもただスポンサーとして応援するだけでなく、それ以外にも何か協力できないか?と考え、選手達と共に開幕戦のチラシを配ったり、応援に来てくれた方に渡すようのビール等のドリンクを協賛させていただきました。また今後は、地域の活性化の為にスポンサー活動を通じて更に協力していこうと考えております。もちろん、スポーツ好きなドライバーさんも多くてチケットをプレゼントしています。
「スポーツが好きで応援する」ことを理由に始めたのが、結果的に地域の人たちと交流する機会を生み出してくれました。
もっと交流を深めていきたいと思い、MIRAIS主催の「サッカーのイベント」を計画しています。
サッカーの試合だけでなく、弊社のブースやスペースを作って、子供達や地域の人達ともっと近い距離で触れ合える場を提供したいと思っています。
実際に軽貨物車両に乗ってもらったり、玄関まで荷物をお届けする仕事体験ができたり、たくさんの子供達に軽貨物のお仕事の魅力を知ってもらえるイベントを計画しています。
子供達に軽貨物の仕事を知ってもらうことは、将来に繋がるとても重要なことだと思っています。
ドライバーの確保と仕事の供給バランス
ーー「ドライバーの確保と仕事の供給バランス」についてはどんな対策をされていますか?
ドライバーを確保していたとしても、委託するお仕事が足りなければドライバーの満足を得ることができません。
逆に、荷主様からお仕事をたくさん頂いても、ドライバーが足りなければ荷主様の満足を得ることができません。
そこで常に下記のことを意識しています。
・「荷主」の満足
・「ドライバー」の満足
・「カスタマー(荷物を待っているお客様)」の満足
・「MIRAIS」の満足
この4つの「満足」を向上させていくことができれば、会社が大きくなりサービスが向上していきます。
サービスが向上すれば、荷主様と大きな信頼を築くことができ、ドライバーに提供する仕事の量と幅が向上していきます。
もちろん、「たくさんのドライバーを確保して、たくさんの荷物を配送すればいい」というわけではなく、「質」というものに着眼していかなくてはいけません。
それは、「仕事の質なのか?」「ドライバーの質なのか?」もしくは「作業効率なのか?」
この質を向上させるために、弊社では研修プログラムやIT事業部の導入など様々なことを試みています。
業界で感じる変化
ーーでは、近年で軽貨物業界(外部的な要因も含め)で大きく変化したことを教えてください。
やっぱり「EC市場の拡大」ですね。
そこに尽きるというか、更に拡大し続けていくと思います。
海外に目を向けて見ますと、日本のEC市場ってまだまだ小さいんですよ。
だからもう拡大していくことは目に見えているわけです。
今、物流業界全体で「ドライバー不足」という課題がありますが、それ以上にEC市場が拡大してしまっていると感じています。
それをどう解消してくか?人材確保以外に配送業務の効率化もしていかなくてはいけません。
海外ではすでに荷物を家の中に置くサービスだったり、ドローンによる配送も始まっています。
これからの変化に対応していかなくてはいけません。
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環境の変化にどう対応していく?
ーーでは、その環境の変化にどう対応したら良いでしょうか?
自社で「IT」を活用していくことだと思います。
物流業界において、ドライバーの分野って職業柄「ITを活用する場」が少ないんですよね。
例えば倉庫などの管理業務だといろんな最新システムを操作したりITに接する機会が多いと思います。
ドライバー職の場合、労働時間の大半は運転に時間を費やすわけですから、ITと接する機会は必然と少なくなります。
自分もどちらかと言えばアナログな人間なんですけど、ドライバー分野は他の業界や職種と比べるとアナログな仕事だと思っています。技術革新が起きた時にアナログのままでは限界があります。
今後は、アナログとデジタルを融合させて常に新しいことを考えていかなくてはいけません。
かといって、ドライバーの働き方を大きく変えるということはできません。
技術革新などの環境の変化に対応してくためには、「ドライバーが働く企業のITリテラシーを高めていく」これが重要な対策だと考えています。
そこで弊社では3年前から「IT戦略部長」を社内に配属させています。
今後ITになんらかの形で携わっていかないと会社を成長させることは絶対に無理だと思っています。
海外では、Amazonだけでなく、Googleやebayなど巨大なグローバル企業が直接物流業界に参入しています。
「物流市場が拡大する=人手が必要になるだろう」というのは古い考えで、IT技術のさらなる革新で人を必要としない技術もどんどん加速していくでしょう。
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ドローン配送や自動運転など「20年、30年先の話だ!」なんて結構ゆったり構えていたんですけど、色んな人の話や経済紙など見ますと、予想していた以上に技術が進歩しているじゃないですか?「10年後には予想外に大きく変わっているんじゃないか?」と思うようになりました。
そこにドライバーが上手くシフトできるように、環境づくりを私たちがしなくてはいけないという使命感をもって毎日過ごしています。
MIRAISは今後起こりうる技術革新に対して、ドライバーも対応できるような環境を造り、提供していかなくてはいけません。
そういったことから、MIRAISも「ITを取り入れ、自らも開発していこう」ということで、2020年2月にIT事業部門を子会社化し「株式会社MIRAIS Tech(:ミライズテック)」を立ち上げました。
子会社MIRAIS Techはどんな事業やサービスを展開していく?
ーーなるほど、IT事業の子会社化は本気で挑戦するという意味も込められているんですね。「株式会社MIRAIS Tech」は具体的にどんな事業やサービスを展開していくんですか?
直近では「リアルタイム送金システム」を開発しました。
EC市場の拡大に対してドライバーの需要が増している中、労働条件が原因で軽貨物業界を離れてしまう方も多くいます。その原因の一つに、「売上金の支払いの遅さ」があります。どのくらい遅れるかというと、お仕事の内容によって働いた分の支払いが数か月先になることもあります。
これは業務委託で仕事を請け負っているドライバーにとって大きな問題になります。
そして、ガソリン代や高速代などドライバーが経費として支払うコストがとても多いんです。
経費分を請求するにも手間がかかってしまったり、さらに売上の入金まで遅くなってしまうと、ドライバー個人の資金繰りが滞ってしまいます。
この悩みこそが、委託ドライバーとして働こうと思っている人達の「壁」になっていました。
リアルタイム送金システムを利用すればこのような悩みが解消されて、ドライバーも安心して働くことができます。
そしてドライバーとして働く人達が増えていきます。このシステムを導入する運送業者が増えれば、業界全体も活気づくのではないかと期待しています。
MIRAISが目指す業界ポジション
ーーでは将来、軽貨物業界において会社の立ち位置をどの様に考えていますか?
人材不足と言われている中、弊社は人材の確保が上手くいっています。
さらに一緒に働く仲間を増やしていきます。
企業規模が大きくなればなるほど影響が大きくなっていくじゃないですか。
会社を大きくして「仲間とともに業界のイメージを変えていく」ということに繋げたいですね。
新しい軽貨物のイメージを作り上げ、ドライバーを目指している人たちが「MIRAISで未来を盛り上げていきたい!」なんて集まってくれる会社にしていきたいですね。
最後に
ーーでは、最後に今後の展望や目標を教えてください。
とにかく「業界のイメージを変えて行きたい!」ずっとその事を言い続けています。
その為に物流全体の規模を大きくしないといけないというプロセスが必要になります。そしてドライバーの満足を高めていきます。
弊社が掲げている理念は2つあります。
・『創造の具現と連続』
・『幸福の実現と追求』
『創造の具現と連続』はこれから変化する時代に新しい事を発信できる企業に成長し、創造し続けようという理念。
『幸福の実現と追求』は皆さんの幸福を実現して、追求し続けようという理念です。
従業員の満足度が低ければ会社を離れてしまいます。
MIRAISとしては、ドライバーの要望に合わせて最適なお仕事を提供しなくてはいけません。
例えば「週5の勤務で月35万円稼げる人がいるんだとしたら、今度は週4で月35万稼げるようにしよう」とか、「同じ週5働くなら、月40万稼げる」とか、我々の努力でたくさんのドライバーの要望を叶えることができます。
「働くドライバーの満足を追求する」これに関してはどこにも負けない体制を取っていると思います。
編集後記
重松社長に会社のことや、業界のことをいろいろと聞くことができました!ありがとうございました。
軽貨物ドライバーは、私たちの生活で欠かせないとても重要なお仕事です。世界中でその働き方や環境は変わっていく中、ドライバーを支えるMIRAISさんのような企業が今後活躍していくはずです!
軽貨物のお仕事に興味をお持ちの方はMIRAISさんに相談してみてください!
MIRAISさん登場の記事はこちら
【DJ PHOTO BOOK】 AZUSA & MIRAISコラボ写真集 告知!!
DRIVER JAPAN GIRLSのAZUSAちゃんとMIRAISさんのコラボ写真集が近日公開予定!!
MIRAISさんの車両とAZUSAちゃんが撮影してきました!
写真を通して軽貨物車両とMIRAISさんの魅力を体感できます!お楽しみに!