【取材】タクシー運転手に向いている人の特徴を聞いてみた
今回は、「タクシー運転手に向いている人」について、神奈川県の江ノ島海岸に本社を構えている江ノ島タクシー株式会社さんの現役タクシー運転手さんにドライバージャパンガールズのYAYOIちゃんと聞いてきました。
結論から言うと、現役タクシー運転手さんとの取材から、「タクシー運転手に向いている人」の大まかな特徴は以下の人であるとわかりました。
大まかな特徴
・運転が好きな人
・コミュニケーションを取るのが上手な人
・「町」の情報収集に敏感な人
・キレイ好きな人、洗車が好きな人
・気配りができる人
さらに、流し営業(都心向け)と待ち営業(地方向け)など営業手法別に向いている人や、前職、性別、年齢、観光タクシーなどそれぞれ適正も聞いてきましたので「タクシー運転手って自分に合うかな?」なんてお悩みの方は是非ご参考にください。
目次
今回取材を受けてくれたのは?
今回取材を受けてくれたのは、江ノ島タクシー株式会社の取締役を務める小柳さん。
小柳さん:現役タクシードライバー 40年の経験を持つ大ベテラン
タクシー運転手に向いている人の大まかな特徴
ーータクシー運転手に「向いている人、向かない人」について教えてください。
向いてる人の特徴は、運転が好きで社交的でとにかくコミュニケーションを取るのが上手な人ですかね。
逆に短気な性格の人は向かないと思います。
少しのことでイライラしてしまったら、お客様への接客に影響が出てしまいます。
あとは、地方のタクシー運転手なら自分が担当する「町」の情報収集に敏感な人はとても向いていると思います。
町に興味を持つことはとても重要なことで、
例えば、「ここのラーメン屋さんはおいしい」とか、観光ガイドには載っていない観光スポットを知っていたりとか、
当然、工事しているのを見掛けて、「新しい施設ができるのかなぁ」なんて少しでも自分の町に気を掛けている人は向いていると思います。
細かいことだと思いますが、こういったことがお客様の満足を通して最終的に自身の売上に大きく影響していきます。
町に興味がない人だと毎日通ってるのに町の変化に気が付かず、それがお客様の不満足に繋がってしまう可能性が高くなってしまいます。
ちなみに、キレイ好きな人で洗車が好きな人はとてもいいですね!
乗車される車両がピッカピカだとお客様も気持ちよく乗れると思います!
車好きの人は基本的には車もキレイにする方が多いですし、洗車が上手な印象があります。
そして向上心がある人です。
もちろん会社としては売上がないと経営していくことができません。
ですのでほとんどのタクシー企業は歩合制を導入しています。
普通に働いていても、並みの売上を上げることができるかもしれませんが、
「稼ぐ」ことは難しいでしょう。
「稼ぎたい!」とか「いろんなところを開拓したい!」など向上心がある人は向いています。
最後に重要なのが、気配りができる人ですかね。
お客様をお乗せして、目的地まで安全に送り届けるという事は当たり前なんですけども、「その中でお客様がどの様な事を思ってるのか?」という事を感じ取れる人は向いていると思います。
というよりも働くドライバーみんながそうでなくてはいけませんね。
どんな前職や経歴を持っている人が向いている?
ーー前職、どんな仕事をしていると有利ですか?
接客関係の仕事ですね。
どうしても接客がスムーズにいかないと難しく感じてしまいます。
私も若かった頃、社会経験が少なく、営業の経験はありましたけどもう少し色々と社会経験を積んでいればもっとお客様の満足に繋げていくことができたかなと思っています。
とはいえ、コミュニケーションが取れて運転が好きな方だったら接客のお仕事の経験がなくてもすぐに慣れることができます。
ポイント
・接客関係の仕事
性別に不向きはある?
ーー女性の方には向いていますか?
もちろん向いていると言えますよ。
性別問わず、性格や人間性によると思います。
女性のドライバーさんがいるだけでも助かることもあります。
「女性のほうが安心して乗れる」という女性のお客様もいらっしゃいますからね。
女性がどんどん参入してくれば、タクシーの業界イメージが変わり、若い人がどんどんタクシー運転手として働く良い流れになると思いますよ。
弊社も女性ドライバーは歓迎していて、以前より女性の求人応募が徐々に増えてきています。
性別問わず、ちゃんと車が好きでコミュニケーション能力が高い人であれば申し分ないです。
なによりも力仕事も無いですから働きやすい環境だと思います。
「業界イメージを変える」という観点でも、YAYOIちゃんみたいに女性のドライバーさんもいたほうが良いなと思います。
ポイント
・向き不向きは性別問わない
・近年女性ドライバー増加=女性が働きやすい環境整ってきている
新卒入社に向いている?
ーー新卒入社は向いている?
年齢関係なく稼ごうと思えば稼げるので「お勧め」だと思います。
しかし、社会経験や運転の経験がものを言う場面があるということも事実です。
たくさんのお客様を運ぶことによって、いろんなお客様に出会います。
お客様の満足を得るためには、お客様の心情を読み取ることや、スムーズな運転技術が必要になります。
ただ、経験という点では、会話の中からも世の中のいろんなことを発見することもできますし、接客を学ぶことができます。
社会経験を積むにはいい経験をすることができますね。
「もちろん自分自身の売上をどう作り出すのか?」など、どこの業界においても必要な考え方も身に着けることができます。
現状は昔からのイメージで、タクシー運転手は社会に出て「初めてする仕事」というより、「次の仕事」というイメージが強いです。
だからタクシー業界全体で、若い人がたくさん働いてくれるようにイメージを変える努力をより一層していかなくてはいけないですね。
ポイント
・新卒入社でも稼げる
・しかし、社会経験や運転の経験がものを言う場面がある
年齢別で不向きはある?
ーーでは年齢でいうと何歳くらいの人が向いている?
前述のことが該当していれば、年齢は関係ないです。
ただ、これからの時代を考えていくと若ければ若いほど活躍できる場は多いかもしれません。
タクシー業界は他の業種と比較すると平均年齢が高いんです。
今後、キャッシュレスやアプリの導入をはじめ、いろんな新しいことがタクシー業界にもどんどん入ってくるでしょう。
そんな環境変化に対応していかなくはいけません。となると、「素早く時代に反応できる」若い人の力は必要ですよね。
ポイント
・年齢は関係ない
・これからの時代、若いドライバーの重要性が増す
「流し営業」で向いている人は?
ーータクシーの営業方法、「流し営業」に向いてる人はどんな人ですか?
運転が好きな人ですかね。
「運転が好きだー!」って全面に出してくる人は流しに向いていると思います。
逆に待ちメインだと、じっとしていれないかもしれませんね!(笑)
「常に動いていないとダメだ!」という人は流し営業がお勧めです。
あとは自分の知らない場所に興味を持っている人ですかね。
そんな人は、いろんな場所を積極的に行くことができるので、流しの営業であればとても有利だと思います。
ポイント
「流し営業」向き
・運転が好きな人
・自分の知らない地を積極的に開拓できる人
「待ち営業」で向いている人は?
ーーでは、「待ち営業」に向いている人はどんな人?
車をキレイにするのが好きな人、町が大好きな人、観光が好きな人、お客様をとことん大事にする人ですかね。
もちろん営業方法とか関係なしに、お客様を大事にすることはあたりまえですが、
お客様にとって「単なるタクシー乗車」かもしれませんが、その一回の乗車で「思い出」と「感動」をお客様にお届けできるような人は天職だと思います。
ポイント
「待ち営業」向き
・車をキレイにするのが好きな人
・町が大好きな人
・観光が好きな人
・お客様をとことん大事にする人
「観光タクシーの運転手」で向いている人は?
ーー江ノ島タクシーさんでは観光タクシーの事業もされているとのことで、「観光タクシーの運転手」はどんな人に向いていますか?
観光情報をマニアックに知っている人ですね。
やはり観光地をある程度、知識としても知ってもらう事だと思います。
詳しくなったとしてもガイドのプロではないので、どこまで好きになれるかじゃないですかね。
好きだったら調べるじゃないですか。
観光に関する事が好きかどうかってのがあると思いますね。
うちの取締役に写真が好きな人がいるんですが、「写真をどこでどの季節に、どの時間帯で撮るといい感じ」とか……。趣味と実益を兼ねてます!
例えば、あまり知られていない写真撮影のスポットを知っていたり、「あそこに隠れミッキー的なのがあるよ」とか。
マニアックに江ノ島のことを知っています。
それでも、まだまだ調べないと分からない所がたくさんあると仰っています。
「おもしろい事をを見つけに行こう!」と思う事が大切だと思います。
見つけたらお客様に教えてあげたり、実際に連れていける人がいいんじゃないのかなと思います。
昔だと誰も見る気もされなかった古い通りとかだって、今ならSNSで話題になっていたりするじゃないですか。
そういう場所も一つの「観光スポット」になるんじゃないのかなと思います。
普通の観光地じゃないけど、こういう「変わったスポットもありますよっ!」って発信出来る人が向いてると思います。
あとは、美味しい食べ物の知識がある人とかは観光タクシーに向いてますね。
年配の方もいいかもしれないですね。
「この場所は昔はこうだったんだよっ!」とか説明しながら案内できますしね!
逆に若い人だとこういう説明の仕方が難しいかもしれませんよね。
ポイント
「観光タクシー運転手」向き
・観光情報をマニアックに知っている人
・積極的に発信できる人
・年配者にもお勧めできる
取材を受けてくれた小柳さんについて
江ノ島タクシーに入社したきっかけ
ーー転職する前はどんなお仕事をされていましたか?
大学を出てからは婦人服のメーカーに就職して営業をしていました。
婦人服メーカーを辞めてから、40年前の話になりますが都内でタクシードライバーをしていました。
タクシードライバーを選んだ理由は、タクシーの業務というのは自由が利くというように感じてる方が多いと思ってました。
一人に対する接客が多く、他人に邪魔されることなく出来る仕事ということが応募の動機となったという人が多いですね。
その経験から、「江ノ島でタクシー業務ができるんだ!」と思って江ノ島タクシー株式会社に応募して入社しました。
タクシー運転手になる前のイメージ
ーータクシー業界に携わる前の「タクシー運転手」のイメージはどうでしたか?
私の個人的なイメージになりますが、正直に言うと「悪かった」です。
絶対にタクシー運転手だけはなりたくない、そういうイメージを持っていました。
実際のイメージ
ーー実際「タクシー運転手」になってみてどうでしたか?
「面白い」です。
思ってたのと違うなと。
タクシー運転手になる前にイメージしていたのと違いました。
とにかくいろんなお客様に出会えますし、今まで知らなかった素晴らしい場所を知ることもできます。
社内の従業員も気さくな人間が多いので楽しく仕事をすることが出来ますよ。
タクシー運転手をしていたからこそ、知ることができた、出会えた、ということがより人生を豊かにしてくれたと思います。
タクシー運転手のやりがい
ーータクシー運転手になられてやりがいなど良かったことを教えてください。
やっぱり一番は、いろんなお客様に出会えることですよ。
この仕事をしていなければ会えない方達に出会えることができます。
客層の幅がすごく広いんです。
例えば、大企業の方や重役の方とか芸能人を乗せたりして、タクシー運転手の仕事をしてなければ話ができなかったと思います。
普通では会えない様な人と話ができるというのは大きなメリットでした。
お給料について
ーーちなみにお給料の側面はどうでしたか?
私が業界に入った最初の頃は、当時一流上場企業の部長クラスの年収と同じくらいと言われてました。
いろんなお客様に出会えるだけでなくタクシー運転手は収入も魅力的であると思います。
歩合給という事でやればやるだけ稼げるし、市場もいっぱいありました。
いくらでもお客様はいますから走れば走るほど稼げました。
業務中でつらいことや大変な事
ーー業務中でつらいことや大変な事があれば教えてください。
寒い時の洗車はきついですね。(笑)
あとは、ちょっとした事で酔ったお客様に絡まれた時など……。
つらい事や大変な経験はたくさんあります。
まぁどのお仕事でもつらい事や大変な事はあると思うんですけどね。
最後に
ーー最後に、タクシー運転手を検討している方へ一言お願いします!
「タクシー運転手になってみたい」「少しでも興味がある」という方は一度見学してもらうといいかもしれません。
みなさんが想像している以上に、タクシー運転手は働きやすく、魅力がたくさん詰まっているお仕事だと思います。
そして、江ノ島が好きな人であれば一度弊社へお越しください。
弊社は「待ち(無線配車)」が主流です。
「流し」が主流の都心と違って営業スタイルが異なります。
無線配車、駅に設置されているタクシー乗り場、特定の施設へ定期便が主で、「流し」をする必要がないんですよね。
人口が違いますから都心みたいにお客様を見つけることが難しいんです。
だからそういった意味では都心のタクシー会社と比べたら誰でも働きやすいと思います。
都心にはない働き方、毎日素晴らしい景色を目の前に働くことができます。
まとめ
小柳さん!様々ご回答いただきありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?
タクシー運転手の向き不向きについていろいろわかりましたね!
ちなみに今回観光タクシーという業務がでてきましたね。
江ノ島が好きで運転が好きな人は、もしかしたら江ノ島タクシーさんの観光タクシーが向いているかもしれません?!
ぜひタクシー運転手のお仕事に興味を持った方は江ノ島タクシーさんのWEBサイトでも説明されています。
そして、求人情報だけでなく江ノ島の魅力やタクシーのお役立ち情報もたくさん配信されているので、今年江ノ島にお出かけする方はこちらもチェックしてみてくださいね!
» 観光情報・イベント情報 | 江ノ島タクシー株式会社
協力
江ノ島タクシー株式会社
神奈川県藤沢市片瀬海岸1丁目10番14号